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「岡田監督が阪神を嫌いになるような辞め方を絶対にさせてはいけない」まったくの同感…退任ありきの契約満了、次期監督問題、「疑問」ばかり
◇コラム「田所龍一の岡田監督『アレやコレ』」
DeNAとのクライマックスシリーズにまさかの2連敗。岡田阪神の2年目はあっけなく終わった。試合後、左翼スタンド最上部でファイナル進出を祝福するベイスターズファンに、DeNA選手たちは手を振って応えた。
一方の阪神は岡田監督以下誰もベンチから出てこない。スタンドでは「オ・カ・ダ」コールが湧き起こり、応援歌を歌って登場を待ったが、岡田監督が手を振ることはなかった。
「岡田監督の体調がすぐれないので、大事を取りました。ファンの方には大変申し訳ない」と粟井一夫球団社長は説明したが、なんともはや後味の悪い“最終戦”になってしまった。
阪神球団は近日中にも次期監督を発表する。最有力候補は現在、タイガースの「SA(Special Assistant)」を務めるOBの藤川球児氏(44)である。
理路整然とした野球解説には定評があり、球団が3年前、矢野燿大監督の後任として「平田勝男監督案」(当時2軍監督)を阪急阪神HDの角和夫会長に具申したときも「将来の監督候補」として入閣させる予定だった。
今回は現場での指導経験もさせずにいきなりの「監督」。
当然《投手出身の藤川で大丈夫なのか?》《3年前に戻って平田監督の下で監督修行でもいいじゃないか》《なぜ球団はそんなに事を急ぐ?》と思ってしまう。
今回の岡田監督退任劇には阪神OBや多くの評論家たちも「疑問」の声をあげている。ある大物OBはこう語っている。
「2年契約が終わったとはいえ、これほどの成績を残し300万人以上の観客を動員した大功労者の岡田監督に対し『来季もやっていただけませんか』とまず要請するのが当たり前。それを岡田監督が体調を理由に断っての退任ならまだしも、最初から“退任ありき”の今回の運びは理解しがたい。ボクの知っている昔の嫌な阪神になってしまうのか―という寂しさを感じる。岡田監督が阪神を嫌いになるような辞め方を絶対にさせてはいけない」
まったくの同感である。筆者が虎番記者だったとき(昭和54年から十数年)「この球団はなんで大功労者の選手を大切にしないんや」と不思議で仕方がなかった。西武にトレードされた田淵幸一氏、「ベンチがアホやから…」でユニホームを脱いだ江本孟起氏。岡田監督も「まだオレはやれる」とオリックスへの移籍を望んだ。
どんなにチームに貢献してきた選手でも力が落ちてくると《戦力外》と判断し「トレード」や「引退」を勧告する。そこには「タイガースでまっとうさせてやろう」とか「花道を飾らせてやろう」という考えなどないように思えた。
選手にとって“花道”とは引退試合や引退後のコーチのポストを与えることではない。試合に出てまた出て、選手自らが「あぁ、野球をやり尽くした」と感じること。昔、星野仙一監督がこんなことを言っていた。
「一人の選手を引退させるということは、現場も“血を流す”ということだ。力の衰えた選手を使えば試合に負ける。それでも使って、使って納得させる。血を流すとは負けを覚悟して試合に使うということなんだ」
試合にも出してもらえず、いきなり「戦力外」を通告された有力選手には、その代わりに―と球団のポスト(コーチやフロント入り)が用意されていることが多い。
だが、選手たちは納得しない。「野球をやめるかどうかは、ぼく自身が決めること。あなたたちに決める権利はない」と決然と席を立ち、何人の選手たちが他球団でのプレーを望んで出て行ったことか。近年では福留孝介氏(阪神→中日)、能見篤史氏(阪神→オリックス)、鳥谷敬氏(阪神→ロッテ)しかり…。
岡田監督が《アレンパ》を達成しても、球団は2年の契約満了で「退任」―と決めていたという。それならなぜ、シーズン前に岡田監督とじっくりと話し合い、藤川氏をコーチとして入閣させるか2軍監督として現場に入れなかったのだろう。それなら経験不足を心配することもない。いまさらそんなことを嘆いて仕方ない? たしかにその通りである。
「岡田監督が阪神を嫌いになるような辞め方を絶対にさせてはいけない」まったくの同感…退任ありきの契約満了、次期監督問題、「疑問」ばかり
◇コラム「田所龍一の岡田監督『アレやコレ』」
DeNAとのクライマックスシリーズにまさかの2連敗。岡田阪神の2年目はあっけなく終わった。試合後、左翼スタンド最上部でファイナル進出を祝福するベイスターズファンに、DeNA選手たちは手を振って応えた。
一方の阪神は岡田監督以下誰もベンチから出てこない。スタンドでは「オ・カ・ダ」コールが湧き起こり、応援歌を歌って登場を待ったが、岡田監督が手を振ることはなかった。
「岡田監督の体調がすぐれないので、大事を取りました。ファンの方には大変申し訳ない」と粟井一夫球団社長は説明したが、なんともはや後味の悪い“最終戦”になってしまった。
阪神球団は近日中にも次期監督を発表する。最有力候補は現在、タイガースの「SA(Special Assistant)」を務めるOBの藤川球児氏(44)である。
理路整然とした野球解説には定評があり、球団が3年前、矢野燿大監督の後任として「平田勝男監督案」(当時2軍監督)を阪急阪神HDの角和夫会長に具申したときも「将来の監督候補」として入閣させる予定だった。
今回は現場での指導経験もさせずにいきなりの「監督」。
当然《投手出身の藤川で大丈夫なのか?》《3年前に戻って平田監督の下で監督修行でもいいじゃないか》《なぜ球団はそんなに事を急ぐ?》と思ってしまう。
今回の岡田監督退任劇には阪神OBや多くの評論家たちも「疑問」の声をあげている。ある大物OBはこう語っている。
「2年契約が終わったとはいえ、これほどの成績を残し300万人以上の観客を動員した大功労者の岡田監督に対し『来季もやっていただけませんか』とまず要請するのが当たり前。それを岡田監督が体調を理由に断っての退任ならまだしも、最初から“退任ありき”の今回の運びは理解しがたい。ボクの知っている昔の嫌な阪神になってしまうのか―という寂しさを感じる。岡田監督が阪神を嫌いになるような辞め方を絶対にさせてはいけない」
まったくの同感である。筆者が虎番記者だったとき(昭和54年から十数年)「この球団はなんで大功労者の選手を大切にしないんや」と不思議で仕方がなかった。西武にトレードされた田淵幸一氏、「ベンチがアホやから…」でユニホームを脱いだ江本孟起氏。岡田監督も「まだオレはやれる」とオリックスへの移籍を望んだ。
どんなにチームに貢献してきた選手でも力が落ちてくると《戦力外》と判断し「トレード」や「引退」を勧告する。そこには「タイガースでまっとうさせてやろう」とか「花道を飾らせてやろう」という考えなどないように思えた。
選手にとって“花道”とは引退試合や引退後のコーチのポストを与えることではない。試合に出てまた出て、選手自らが「あぁ、野球をやり尽くした」と感じること。昔、星野仙一監督がこんなことを言っていた。
「一人の選手を引退させるということは、現場も“血を流す”ということだ。力の衰えた選手を使えば試合に負ける。それでも使って、使って納得させる。血を流すとは負けを覚悟して試合に使うということなんだ」
試合にも出してもらえず、いきなり「戦力外」を通告された有力選手には、その代わりに―と球団のポスト(コーチやフロント入り)が用意されていることが多い。
だが、選手たちは納得しない。「野球をやめるかどうかは、ぼく自身が決めること。あなたたちに決める権利はない」と決然と席を立ち、何人の選手たちが他球団でのプレーを望んで出て行ったことか。近年では福留孝介氏(阪神→中日)、能見篤史氏(阪神→オリックス)、鳥谷敬氏(阪神→ロッテ)しかり…。
岡田監督が《アレンパ》を達成しても、球団は2年の契約満了で「退任」―と決めていたという。それならなぜ、シーズン前に岡田監督とじっくりと話し合い、藤川氏をコーチとして入閣させるか2軍監督として現場に入れなかったのだろう。それなら経験不足を心配することもない。いまさらそんなことを嘆いて仕方ない? たしかにその通りである。
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